座配(式司)のあんちょこ

近くのK寺さんの報恩講ご満座に参勤した。ちょっと人数がかつかつで、私が座配をして、巡讃の二首目もした。座配をまかされるようになってから4年くらいだろうか。緊張して言い間違えることもあるのであんちょこを作った。色んな方のを聞いて専門の方にうかがって少しずつ手直しして、何とかできたと思う。実はこれが一番役に立つのは、どうしても私が出れないときに住職にわたす時で、まるで日本昔話に出てくる賢い嫁のようだ。私はそう賢くもないが。男の人って、自分がわからないことを聞くのが苦手な人が多いです。そんな方のために、ちょっと貼ってみます。

(登高座、調声、結讃の方に予めお願いする。登高座の方に差抜、本装束念珠)
20分前 時 分 座配係裳附着衣
10分前 時 分「そろそろと、装束ご案内いたします」
(喚鐘前後に、但し喚鐘中はいわないで待つ)皆様、本日は法務等ご多用中、
当寺 寺 報恩講 満座に、ご参勤たまわりまして誠にありがとうございます。
式次第は、
先ず、出仕
次、総礼
次、登高座 両軸伽陀三章
次、下高座
次、総礼
次、文類偈草四句目下
念仏讃 五淘
和讃は三朝浄土の大師等 次第三首
次、回向 願以此功徳
次、総礼
次、退出 となります。
ご入内でございますが、座にご無礼があるかもしれませんが、
別達で 寺殿、登高座(登盤)をお願いいたします。
祖師の一、 寺殿、調声・初讃をお願いします。
御代の一、 寺殿、式間念仏をお願いします。
祖師の二、 寺殿、結讃をお願いいたします。
御代の二、 寺殿、二首目をお願いいたします。
祖師の三、 寺殿、無役でお願いいたします。
御代の三、 寺殿、無役でお願いいたします。
あとの方は、後座の方でお願いいたします。
(喚鐘後)
御座の方からよろしくお願いします。
(登高座後裏にまわり、挨拶。回向中に裏にまわり、挨拶)
結構なお勤め、ありがとうございました。
お陰さまで無事報恩講を勤めることが出来ました。どうもありがとうございます。
どうか御脱衣下さい。

15分前座配係裳附着衣をしていたら、いたずらっ子のK寺さんがこのあんちょこを取り上げた!「これ作るのに何年かかったと思っているですかぁ(笑)」と汗をかいた。K寺さんのように何ごとも美しい所作でお勤めできたらよいのですが、まだまだです。「式司、うちでやってみっこっちゃ、はじめから出来る人はおらんよ、わしゃ教えるから。」そう隣の住職が言ってくれたから、今ではあちこちのお寺で出来るようになった。ありがとうございます。