五濁悪時

友人の寺報を読み引きずり込まれた。

阿弥陀経にある五濁悪世(ごじょくあくせ)を、宗祖はなぜ五濁悪時(ごじょくあくじ)と言いかえられたのか、3月11日にわかりました。宗祖は悲惨な状況を目の当たりにされたんです。」
古田和弘師の言葉

如来所以興出世 唯説弥陀本願海 五濁悪時群生海 応信如来如実言
如来、世に出興したまうゆえは、 弥陀本願海を説かんとなり。
五濁悪時の群生海、 如来如実の言を信ずべし。

じいちゃんはなぜか正信偈には海が二回出てくると言った。ある方に、五回でてくるのに、じいちゃん恥ずかしいといったら、「いやこの二つは特に大切で、対になっています。」とおっしゃった。五濁悪時の群生海に沈むものへの、如来如実の言葉である弥陀の本願海。如実ってピンとこない言葉だ。たとえば「真実のとおりの」と訳したなら、真実のとおりの弥陀の本願海となるのだろうか。目の当たりにする五濁悪時の群生海こそ悲しい真実、事実、如実だと思う。だからこそこの二つが対になっているのかもしれない。