蚊にかまれて思うこと

蚊が出てきた。今年は蚊が少ないと口々に言っていたし、自分もあまりかまれなかったが、三国(福井)の方をはじめとして、毎年暑いようなところで見た。秋に近づいてきたからそろそろお出ましだろうと予想していた。この時期蚊は次の子孫のために命掛けでがんばるのだ。今年の夏は蚊じゃなくて、今まで見たこともない虫にひんぱんに刺され、これまでの薬が効かずしばらくかゆくてたまらず皮膚科に行ったことがあった。隣村の人も同じ刺され跡で、同じくかゆさに苦しんだとのことだった。「こんなことなら蚊に刺されていたい(ムヒ・ムヒパッチの準備は万全だ)」と思った。ということでぷっくり腫れるのがなんだか愛おしくある。
彼の家はでかい薮蚊がたくさんいた。二年前の7月半ば、ホームパーティーの準備を手伝った。蚊取線香の代わりに菊花線香という、蚊を殺さずに寄せ付けないというやつを炊いて、食事の盛りつけをしていたが、その煙は何の役にも立たず、夏はタンクトップなことが多い私は蚊にかまれて腕や顔がぼこぼこ腫れた。ここの家は蚊取線香さえない、不殺生だかエコだか知らんけど(怒)と内心腹を立てていたが、パーティーの時間が迫るのでオードブルを盛り付けるのにそれどころではなかった。しばらくして彼が菊花線香をたくさん炊いてもってきた。ところどころ蚊にかまれた私を見て、「ごめんなさい、こんなになるまで。」と本当に悲しそうに言った。怒る気が完全失せ、彼にはかなわないと確信した。蚊にかまれるたびになんとなく思い出す。(蚊にかまれる=蚊に刺される)