『教行信証』最後の言葉

『安楽集』に云わく、真言を採り集めて、往益を助修せしむ。何となれば、前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は、前を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらしめんと欲す。無辺の生死海を尽くさんがためのゆえなり、と。已上
しかれば末代の道俗、仰いで信敬すべきなり。知るべし。
華厳経』(入法界品)の偈に云うがごとし。もし菩薩、種種の行を修行するを見て、善・不善の心を起こすことありとも、菩薩みな摂取せん、と。已上

教行信証』は文類、大切な言葉をいろんな経典などから集めているので、「已上」という言葉が区切りになる。『教行信証』最後に書かれている「前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は、前を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらしめん」というのはかなり聞きなれた言葉で、それだけ大切にされてきたのだと思うが、本当の最後の言葉を、私に伝えてくれたのは佐野さんだけだった。さらりと「ここにね、『教行信証』最後に、がんばっている人も、そうでない人も、みなすくわれる。と書かれているんですよ。」といって微笑した。