洋菓子はカジュアルな贈り物

書こうか迷うのだが、四十九日法要でいただいたものに絶句した。
私たちの地域では自宅でお経(「観経」)をあげ、法話をいただいて、お斎(おとき)につく。お斎は自宅でする場合もあるが、飲食店で行うことが多い。その際、精進料理はあまりみない。帰りに、篭盛(かごもり)と法要でお参りに来た方々が持ってこれらた和菓子をいくつかずつ皆に分け持って帰ることが普通だが、のりや昆布や砂糖などがはいった篭盛は近年疎まれることが多いようで、菓子箱やフルーツ箱をいただくこともある。
袋を開けて驚いた。バウムクーヘンとリーフパイ、エコパックとハンドタオル。「持ってこられた和菓子は配るものなんだよ」と伝えたので、それは入っていた。しかし、これはまるで披露宴の引出物のようだ。何度も考えたけれど、やっぱりひどいと思う。
葬式の死花(しか)のことを考えていた。焼香台におかれているもので、木に紙がまかれ(紙で出来た枝のようなもの)ている。なんだろうと、思っていたが、お釈迦さまが亡くなった時、仏弟子たちはもちろんのこと、動物も草木も悲しんで、木が枯れ真っ白になったということを形どっていると教えてもらったことがあった。
悲しみを縁にした仏事は、慶事とは同じにならない。その理由は悲しいからだと思えてならない。派手がだめとか、いらないからわからないからやらない、そういうことでなく、亡くしたことにうちひしがれた人々がやってきたことがある。わからなかったら真似ればいい。篭盛をつけたくないのなら、日本人なら和菓子にすべきだと思う。25歳くらいの女の子が読む雑誌に、洋菓子はカジュアルな贈り物、きちんとした場の手土産は必ず和菓子だと、書かれていたのを見た。(読者モデルいわく「とらや」が良いようだ、金沢なら「森八」かな。)渋いエコパックとかわいいハンドタオルは、理解不能。会社にお礼を言いに行くときに用意したのが余ったのだろうかと思わざるをえない。もう一度言うが、四十九日法要である。
七回忌に菓子箱をいただいた。法事餅20個、賞味期限が短いし食べきれないから正直困るが、でもそんなものだと思う。