今年はムカデが多い。

右頬の辺りでバリバリバリバリと音がした。とっさにムカデだと察知した。飛び起きて、布団の左側においてあった眼鏡をはめ、デジタル時計が5:54、音のした場所にそろり目をやる。「キャーー!!×☆!!。」お兄ちゃんの部屋に猛ダッシュ、息絶え絶えに何度も名前を呼び、「大きなムカデが、私の、私の布団に」と言ってすわりこんだ。真夜中までDVDを観ていた彼はなにやらもにゃもにゃ言いながら、トランクス姿でハエタタキ剣を持って戦場に赴いた。
ムカデが出たら、私と娘は叫び逃げる。パパもお兄ちゃんも母も助けに来てくれる。パパはガムテープで、お兄ちゃんはハエタタキで倒す。母は箸などでつかんで家の外に逃がす(らしい)。もちろん皆が対峙する様を見たことはない。怖くて見れるわけがない。パパはお湯をかけることもある。ムカデはすごくお湯に弱いらしい。
通常お兄ちゃんの剛力によってひとたたきで死にいたるが、今回はべしべし何度もたたく音がした。怖くて一瞬しか見なかったが、これまで見たことないでかさだった。20cmくらいだったらしい。ぞっとする。身体が大きいと手も長いから動くときはいちいちひっつくのをバリバリバリバリとすごい音をたててとりながら進むんだ。はあはあ。怖くて過呼吸気味。もう今年は寒くなるまで畳で眠らない。先月だってちっこいムカデにあごをさされた。さされた痛みはムカデの大きさに比例する。
怖くて今日は家にいなかった。海で魚釣りのお伴をしてお昼寝した。その後、鯵を釣った。それを、南蛮漬けにした。殺生三昧。
追記:後日、思っていたとおりの大きさのが、予想通りの所で出た。ムカデは対で出る。夫婦なんだと思う。前回のは、死んでから図らずも池にぽちょんと落っことしたので、今回も落っことした。ごめんなさい。