お坊さんの仕事

1月に学校で道徳親子教室がある。公開授業、講演会、親子ディスカッション、意見発表など。親子ディスカッションでは親子が自分の夢や、今がんばっていることを話し合うのだという。
娘に将来の夢を聞いたら、坊さんになるという。「でも坊さんというのはお仕事でなく、パパや近くのお寺さんみたいに違うお仕事もしていることが多いのよ。ママも介護とか会社員とかしていたこともあるんだよ。」「ふーん、しらなかった。」「お坊さんの仕事というのは、いろいろあって、お葬式や月参りや報恩講へ行ってお経をあげたり、自分のお寺のお参りをしたり、お話をすることもあるね、お念仏の教えを伝える。お寺のお掃除もお坊さんの仕事だよ。」「お掃除?草むしりとかがしごとなの?」「そうだよ、お寺は浄土の荘厳。」「なんだそれ。」「そうだね、お参りに来た人のために、きれいにしておかないといけないんだよ。(うちは残念ながらしてないけどね。)」「ママのお坊さんの先輩で、衣が違ったらジロッと睨んだり、おかしな所で礼をしたら、だれに習ったんだと、叱ってくれたり、でもお寺を継いで偉いね、といってくれたりする人がいるんだよ。」その人はきちんとした法衣で、すっと背中を伸ばして、少し神経質な感じで、法務をされている。「でも、所用でお寺に伺ったとき、バカボンのパパみたいな恰好で消毒ポンプをかついでいた、何をするかわかるね。それも、お坊さんの仕事なんだよ。」またその人は、じょうせんじさんのご老僧が亡くなった時、枕経でぽろぽろ涙を流して、涙でつまって阿弥陀経があげれてなかった。いつも苦虫つぶした顔をしていることが多い方だから、本当に優しい方なんだと思って心が温かくなった。「『後に生まれん者は前を訪え』という言葉がある、お坊さんに限らず、人は背中を見て育つ、というけれど、尊敬するいい先輩に出会うということは大事なこと。ママにはたくさんいるんだよ。」「あ、それ、電話のところとパパの部屋に貼ってあるの、みたよ。」「『前に生まれん者は後を導き』後輩を育てようと、厳しい言葉も言う、嫌われるし、自分の得にはならないかもしれなくても、わざわざいってくれた。ママに教えてくれたんだよ。ママは叱られたから、忘れない。(中尊前焼香)もう二度と間違えない。」

前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は前を訪え(『教行信証』)

真宗カレンダー、来年も掛けようと思った。