8割のベラルーシの子供達はチェルノブイリ事故以前のデータと比べると健康でない状態

日課「つれづれパスタイム」に環境クローズアップ「チェルノブイリ・百万人の犠牲者」、☆必見☆と書いてあったの見た。おっそろしいことが書かれていた。私たちが気をつけること出来ることはなにか。

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2011年4月26日はチェルノブイリの事故よりまる25年になります。 その一方、世界中の原子力業界は再興を図っています。 この重要な本が出版されました。「チェルノブイリ〜大惨事の環境と人々へのその後の影響」について取り上げていきます。この本は公開された医学的データに基づき事件の起きた1986年から2004年までに 98万5千人が亡くなったとしています。そしてその死者数はさらに増え続けています。


チェルノブイリ原発事故の死者は100万人ということですが 死因は何でしょう?
癌、心臓病、脳障害や甲状腺ガンなど死因はさまざまでした。何より多くの子供達が死にました。胎内死亡、又は生後の先天性障害です。
事態は私が思っていた以上に深刻でした。人々が癌や心臓病で命を落とすだけでなく体中のすべての臓器が害されたて免疫機能、肺、眼内レンズや皮膚などすべての器官が放射能の悪影響を受けたのです。しかも人間だけではありません。調査した全ての生き物人、魚、木々、鳥、バクテリア、ウイルス、狼や牛など生態系のすべてが、例外なく変わってしまいました。人間への影響にとどまらず鳥や動物にも人間と同様の悪影響がありました。


今となっては癌と放射能の関係はわかりますが心臓病はどうして起こるのでしょうか?
私がこの本を編集するときに気付いた重大なことの一つですが バンダシェフスキーという科学者は、研究で子供達の体内に蓄積されたセシウム137の量が実験動物と同じ値になっていることを発見し、それが心臓にダメージを与えていることに気づきました。この研究結果を発表したことで彼は刑務所に収監されてしまいました。
病理学者だった彼は、まず動物実験を行ってから 子どもへの影響を調べようとしました。その結果亡くなった子供たちの心臓に蓄積されたセシウムの量は動物の場合と同様でした。これを発表した謝礼として逮捕され刑務所に収監されました。


チェルノブイリからの放射能によってロシア、ベラルーシウクライナは高濃度で汚染されましたが、この本によればそれどころか世界中に拡散したと書かれていますね。
そのとおりです。放射能がもっとも集中したのは前述の三国ですが最大量の50%以上は北半球全体に行きわたったのです。特に北はスカンジナビア、東はアジア圏へと。 チェルノブイリの事故による死者は近隣国だけでなく もっと広いエリアで見られたということですが。もちろんそうです。世界中です。

人、動物、植物への影響について違いはなんでしょうか?
カニズムは同じです。放射性同位体に汚染されると人、鳥や動植物が受ける影響は細胞が破壊されダメージを受けるということです。DNAへの損傷をもたらし遺伝メカニズムがダメージを受けるという点で同じです。細胞を破壊するのであれば癌にはなりませんが細胞にダメージが与えられると癌になります。もしくは先天性障害の原因となります。人や鳥だけでなく植物にさえ先天性障害が出ます。チェルノブイリのせいで植物にも変異が起こりました。風の影響で北西が被害を受けたとのことですがチェルノブイリ原子力とはまったく無縁だったスカンジナビアラップランドの人々でさえも雨などによる放射性物質拡散で余波を受けました。


こうした事後的影響については?
最近の研究によるとチェルノブイリ事故当時に生まれたスカンジナビアの子供は、高校を卒業する割合が低いようです。知的能力に影響が出たのではないかと思います。私が知る限りのチェルノブイリの最悪な影響は健康と言えるベラルーシの子供はわずか2割だということです。つまり、8割のベラルーシの子供達はチェルノブイリ事故以前のデータと比べると健康でない状態だということです。医学的に健康でないだけでなく知的にも標準以下となってしまっているのです。知的能力の低下と放射能の関係について教えてください。妊婦たちが食べる物の汚染についてはきちんと知らされていない場合が多かったようです。または汚染されていない食べ物が手に入らなかったんです。妊娠中に放射性同位体が体内に入ると母体を通じて胎児に届き心臓、肺、甲状腺、脳とすべての細胞、免疫系統にもダメージを与えたのです。こうした子どもたちは未熟児で生まれつき健康状態が悪く、死産の率も非常に高く、これは被曝がもたらした結果です。人間の文化に起こりうる最悪の悲劇です。


チェルノブイリ原発事故後、旧ソ連の穀倉地帯であるウクライナチェルノブイリ原発では3機の原子炉が今でも運転中です。そこでとれた食べ物はあちらこちらへと出荷されました。
はい。これは、きわめて深刻な問題です。数百年間も土壌汚染が続く中、どの様にして食料を人々に賄っていけばよいのでしょうか? しかも小麦やライ麦などの穀物だけでなくマッシュルームも汚染されています。重要な食料と思えないかもしれませんが、この地域では広く流通する食材で、非常に高濃度で汚染されています。


本は医学的データに基づき、死者数は98万5千人と結論づけました。
けれども、このデータは1986年から2004年までのもので、番組のはじめに「100万人の犠牲者」という言葉を使いましたが、やはりチェルノブイリの犠牲者の数はその位になりますでしょうか?そう思います。やがてその莫大な規模が知られることでしょう。例えば「清算人」と呼ばれた人たちがいました。近隣諸国から主に軍より召集された若き男女でした。 火災を消火し、問題の原子炉を封印する仕事をさせられました。その15%が死亡しています。この人達は18〜30歳位の若い男女だったのです。


原子炉から放出された放射性物質の数量ですが、これにつきましても本が記す数値と公式発表された数値に大幅な違いがありますね?
まったくです。もし放出されたのが少量だったならば低レベルの放射性物質は極めて危険ということですし、もしそれが大量に放出されたのだったらその甚大な被害の規模をみなければなりません。しかし私達はいまだに真相を知らないのです。なぜなら、原子炉に残されているものは何か、地下水に漏れ出しているものは何かを実際に現場へ行って確かめる事ができないからです。


本には梟(フクロウ)の事も書かれていましたね。動物への影響についても少し詳しくお願いします。
本のカバーの写真を撮った南カロライナ大学のティム・ウーソールさんは25人以上の科学者をチェルノブイリ現地に連れて行き昆虫、鳥、ふくろうとあらゆる動物を調査しました。現地調査をしている時、突然ミツバチがいないことに気づき、木の実が落ちていないことにも気づいたと言ってました。実がないのは花粉を運ぶミツバチがいないからです。現実になっているかもしれない彼の予想ですが、今だに崩壊し続けている放射性同位体によって、チェルノブイリ周辺の生命体がすべて失われた可能性もあること言う事です。すべての種を絶滅させるかもしれないのです。そこは渡り鳥の主な飛行ルートです。渡り鳥が来た後、どうなっているかわかりませんから。土壌にある物を何でも食べて、チェルノブイリを飛び立って行きます。小果実を糞としてチェルノブイリ以外の場所でしているはずです。


放射能は遺伝子に甚大な影響を与えるのですよね?それについてはどうお考えですか?
これは改善する見込みのない話です。一度遺伝子が損傷を受けると、何世代にも引き継がれます。ですから、こういった損傷が人、鳥や植物の遺伝子に起きていて、それぞれの種を増進することは無いでしょう。
具体的にどの様な遺伝子損傷のことですか?
脳や心臓、肺への影響、腕のない子供、水頭症の赤ちゃんです。鳥の場合は、羽毛とくちばしの変化、脳の大きさなどがあります。 これらの鳥はあまり利口ではなく、汚染されていない鳥に比べそれほどよく生きていません。植物も永久的に変ったのも分かっています。 難しいことではないのです。放射性同位体の行き先は明らかです。
ヨウ素甲状腺に、ストロンチウムは骨や歯に蓄積します。特に胎児に影響が及ばれます。 セシウム137は心臓と筋肉に蓄積されます。これは謎ではありません。これを知っている為、どんな悪影響がでるのかを予測できます。そして、結果はまさに予測通りであり、それを本で証明しました。


チェルノブイリ事故による犠牲者はわずか数千人」とよく引用されて聞きますが、これは史上最大の嘘の一つですよね。 はい。追及もされずに逃れています。私たちはWHOと国連に圧力をかけねばなりません。WHOとIAEAを分離させることです。WHOとIAEAのみならずここ米国の原子力規制委員会もまた放射性物質の影響を過小評価しようとしていますね。全くその通りです。私は、原子力規制委員会の前身であった原子力委員会(AEC)で働いていました。それはカリフォルニア大学内で、1952年のことでした。新卒で働いていました。当時の私の限られた教育と経験でも他の人が思っているより放射能は危険とわかっていました。 放射能のもたらす害については米国民に対しても何十年間に渡り、秘密と嘘が貫かれました。隠蔽及びデータの書き換えが行われ多少の放射能なんか大丈夫と吹聴されました。 しかし、デービスベッセ 原発所ではメンテナンス不足の為 炉心が格納容器の中で溶けだすところだったことがわかっています。米国でなくとも世界のどこかで再び原発事故が起こるのは時間の問題だと信じています。

チェルノブイリの影響を表すデータを見る上で数十年前のご経験は役に立ちましたか?
もちろんです。放射能が与える悪影響につきましてはもう何十年にも渡り広く知られています。ここ数年間で突然明らかになったことではありません。物理を少しでも知っている科学者なら誰でも放射性同位体が人体、植物又は鳥のどこに入っていくか位はわかるはずです。謎の科学ではありません。

チェルノブイリの犠牲者が100万人とはどの様な意味を持つのでしょうか?
最終的にチェルノブイリ事件の様なミスを起こすのは人間です。健康への影響は大規模です。北半球全域にわたります。放射性物質の降下地点で人々は死んでいます。死ななければ、子どもたちは知的・医学的障害をもって生まれてきています。これがいまだに続いており、まだ終りではないのです。(抜粋)