ご本尊のお仏供(おぶく)は一対

当寺で午後7時から先月から始まった村の真宗入門講座の第二回目が開かれた。真宗宗歌に始まって、正信偈の練習、真宗入門クイズ、お内仏のお荘厳(お給仕の方法)、質疑応答などであっという間の一時間半だった。すごく寒かったけれど、15人くらいの方が来て下さった。
お内仏のお荘厳を学びたいという要望が多かったので、事前にいろいろ予習した。まるで同朋会館の補導時代のようで懐かしく、楽しい。現在同朋会館での上山奉仕は一泊二日が多くなって、「お内仏のお給仕に学ぶ」という場はあまり開かれないようになったようだが、ほんの数年前は、汗かきながらお荘厳を勉強し、「本山」の看板を背負って懸命に語ったものだった。
お内仏のお荘厳については、先輩の口伝や先達の遺言(?)、日本全国から上山される奉仕団の方々との出会いから身につけた(はずの)ノウハウなどがあり、得意分野だと思っていたが、いざ事前勉強をすると改めて知ることもいろいろある。当入門講座では名古屋教区教化センターから発行された『真宗大谷派お内仏のお荘厳』を使っているが、金沢の荘厳は、本山や名古屋と金香炉(本山は火舎香炉)が違うという特徴がある。本来は上卓がない場合に香盤と金香炉を使うのだが、金沢ではほとんどのお内仏に上卓があるのに、前卓に香盤を載せ金香炉を使う。(・・・こんな話大好き♪なんだけどこれくらいにして。)
この名古屋教区教化センターの資料を使って金沢教区内の組で入門講座をした際、『金沢仏壇でのお荘厳』という補足が配布されたのだが、これの上卓の仏具の位置について華瓶一対とお仏供が一服(一つ)描かれていた。名古屋の資料はお仏供は一対(二つ)。どちらが正しいのか、いろんな方に聞いてみた。確かに月忌参りでは仏器台(仏供台)に一服のお宅が多い。ある坊さんは「ご本尊がお木像なら一対、ご絵像なら一服と私は聞いたことがあります。」とおっしゃった。しかし、名古屋の資料は絵像前に一対なのである。困りかねてまた本山に電話した。代表にかけると、参拝接待所に回され、事情を説明すると、式務所につないでくれた。明日からの報恩講準備で忙しい中だったので、不在で、折り返し連絡をいただいた。返答に感動。こういうのが聞きたかった!
式務所の返事はものすごくはっきりしている。上卓がある場合、ご本尊のお仏供は一対。但し、上卓が小さくて、一対乗せられない時は、ご本尊と上卓の間に仏器台に一服。この時は仏器台を二つ並べて、一対とはしない。脇掛けが名号ではなく親鸞聖人蓮如上人のときは一服ずつ供える。なお、すね○る社から「ご本尊がお木像なら一対・・・」という説明がされているものがでているらしいが、木像でも絵像でも一対。すっきり!
「正しいお荘厳」を知りたいときは、先ず身近な坊さんに聞いて、わからなかったら声明のプロに聞いて、それでもわからないときは本山に聞く。もっとも本山に聞かないとわからないことなんてそうないはずなんですけど・・・
これまでに式務所(旧式務部)で確認したこと。
・法事(五十回忌や報恩講など)のお供えに「もなか」を使ってもいいのか、正式なのは何か。―お華束は白餅か落雁
・同朋会館(研修部)の資料に修正会について「しゅうしょうえ」というふり仮名がされているが、「しゅしょうえ」ではないのか。―研修部の資料の誤り「しゅしょうえ」と読む。