おばあちゃん健在

おばあちゃんの介助をする。寝たきりになって一年以上になる。部屋の戸を開けると、「ああ、よかった、お願いします。」と言った。ぼーっとしている感じなんだけど、オムツ交換をすると「ありがとう。」と言ってくれた。食事介助では「ご飯だよ、」「エビだよ、」などと言いながら口に物を運ぶ。何を食べているのかもうほとんど分からないようだけど、エビを食べた時は「うまい!」と言った。途中なにかいいたげに「あー、あー、あ、・・・」と言う。うまく言葉にならない。
「ばーちゃん、今日お風呂に入る?」と聞いたら、はっきりと「やーわいね、めんどくさい。」と言ったので笑った。私のことはどなたさんだかわからないが、おばあちゃんのその狭い視界に、小学校一年生の娘が顔を覗かせると、「ああ、かわいらしい!」と言った。感涙した。その人に深く愛されて育った日を想う。おばあちゃんが何かの拍子に「ふがっ」と笑った。その笑い顔にどれだけむかえいれられたことだろう。
おばあちゃんが面倒でも、風呂に入れたかった。まず住職に「お風呂に入れたいから手伝ってもらえるかな?」と訊いたら快く了解してくれた。娘は一緒に入浴しておばあちゃんの足を持つと言ってくれた。お兄ちゃんはお手伝いをしてくれた娘と遊ぶ約束をしてくれた。みんなの気持ちがとてもうれしかった。ところがまだ私の肘が治りきっていなくて、無理するとおばあちゃんが危険にさらされる可能性もあり、残念ながら今回はあきらめた。眠っている時間が多くなった気がするけれど、ご飯はバクバク食べるし子どもが好きだし、一緒にお風呂にはいる機会はまだまだあるはず。
追伸:最近はおじいちゃんが部屋を覗いても叱る元気はもうないらしいけど、おばあちゃんの部屋の食べ物を盗られた時は大声で怒って、母を呼んでチクったことがあったとのこと。真夜中の出来事だったので、おじいちゃんは母に叱られ、逆ギレ・・・などで大騒ぎだったとか(笑)