真言宗の葬儀に真宗坊主

真言宗のお葬式でした。はじめてみました。当然そこにいただけでした。
はじめにおかみそりがあった。しっかりとは聞き取れなかったが偈文は真宗と同じか似たような感じだった。
水が入ったインドのお土産チックな真鍮製の杯のようなものに長い棒を突っ込んでぐるぐるするし、
横ではシンバルみたいのがグワァァンとなるし、
がいもんもゴーンとなるし、

はじめは「これはサンスクリットだなぁ」と聴いていた。
孔雀王』に出てきた、「オン・バサラ・ウンケン・ソワカ」がでてきた。
ソワカ」がたくさん聴き取れた。
中国の言葉のいわゆるお経、
サンスクリット語、マカー・・・
表白のような日本語(書き下し)の言葉、
交じっていたのが聴いていてわかった。

当然いろんな驚きがある。他宗の僧侶も真宗の葬儀を見て同じように驚くだろう。いや、なんてあっさりしている・・・と思うよな、きっと。

葬儀後控え室で少し質問した。

「おかみそり」というのは共通で、偈文から察するに「引導を渡すということなんですよね」と聴いたら「そうです。」と応えてくれた。(だから、真宗のおかみそりとは儀式は同じなんだけど、内容は違うんだろうなぁと思う。死んだら浄土へ行くから渡してあげなくていいはずだし。)

私が一番驚いたのは、呪文のようなものを唱えてぐるぐるしていたことだったのだが、「浄土宗でもやってるよ」と隣の住職さんが教えてくれた。真言宗の僧侶の方いわく、「加持です。」と。
(ああ、あれが加持・祈祷の加持か・・・真宗でも江戸時代くらいまではやっていただろうな、と思っていた。)

ソワカ」というのは「成就する」という意味なんだそうだ。


控え室では真言の坊さん三人、真宗の坊さん二人、葬儀前はそれぞれ話した。世間話の光景もいつもと変わらない。葬儀後、弔辞にみんなで涙したこと、今日の儀式のこと、お互いの宗派のことを話した。空気がなんだかいつもと変わらない。なんだろう。
よくわからないけど、葬儀が終わった。