雪を選んだ永代経

雪が降った。例年そういえば「うららかで悲しいな」と思っていたら、こんなふうに寒くなったかもしれない。

祖父の時代は「大寒」のさなかにしていた「永代祠堂経法会(えいたいしどうきょうほうえ)」だけど、寒くて準備する方も参る方も大変だろうから、いつ頃からか三月にしている。ところが、しっかり雪が降り、もう寒いとじたばたするのもあきらめた。

当寺「永代祠堂経法会」は、阿弥陀経をあげて正信偈を参られた方と一緒に唱和している。御文(おふみ)は特別なものでなく、みなさんが持っておられる赤い勤行本の中にでているものを順番にいただくことにした。

お勤めが終わってから、皆さんと相談してそそくさとお内陣(おないじん・阿弥陀如来親鸞聖人が安置されている場所)の戸を閉めた。このお内陣が開いているとものすごく寒い。いつも寒い時期にやるので、お内陣を閉めるのも毎度のことだったよう。

ストーブは三つ、でも寒い。雪がたくさん降る日も必ずお参りしてくれる方がおいでることにつくづく頭が下がる。みなさんと共に聴聞し、永代経が終わった後、月忌参りに行った。