『輪廻』DVD

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

ホラー映画を誘われてよく観ます。この『輪廻』DVDは完成度の高い、うまく作ってある映画です。さて、真宗大谷派(しんしゅうおおたには−東本願寺)の僧侶である私は、輪廻ということをどうしても避けて通ってきてしまった、ということがあります。仏教では輪廻を説かない、前世を説かない、それは輪廻や前世そのものを説かないのでなく、それらに怯えなくていいというのが、仏教であり親鸞聖人の教えであったと、これをみてあらためて思いました。

ネタばれです。「ずっといっしょ」というのは、ずっと一緒、すなわち「together共に」と「the same同じ」という意味がある。輪廻は前世の行いによって、「the same同じ」が繰り返される。

お話の前に拝読される三帰依文(さんきえもん)には次のような言葉がある。
「この身、今生(こんじょう)において度(ど)せずんば、さらにいずれの生においてか、この身を度せん」(この身が今生(今の生)においてすくわれないならば、これから先どうやってすくわれることでしょう)
迷って輪廻し続けて来た生に終止符を打つ。それから、「迷いおさめの生」などいうことも何気なく聞いてきた。方便(本当のことを伝える手立て)というより、表現なのかもしれません。

映画はすごく怖かったです。お化けは「暗いところにあるもの」にしておきたいのに、全体的に明るい場面が多く、昼間でも怖い思いに囚われています。「あんたは、霊を信じないのになんでそんなに怖がるんだ」と聞かれました。「私が霊を信じないのはウルトラマンがいるとか阿弥陀仏がいるとかそういうレベルで、それらはみないないと信じているのです。でも、いないから怖がらない、夢見ない、望まない、求めない、たのまない、というのとは違うのです。」とこたえました。