『地獄』買いました

絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

絵本『地獄』を買いました。帯には「うちの子はこの本のおかげで悪さをしなくなりました。」と書かれています。初版は1980年、2012年5月10日第27刷発行のものを手に入れました。マンガ『ママはテンパリスト』にこの絵本『地獄』が登場し最近話題になっているようです。
昨日アマゾンで注文し到着を楽しみにしていました。ちょうどといってはなんだけれども、夜7時から五七日のお参りがありました。初七日は亡くなってから七日目、亡くなって35日目の五七日は「亡くなった人が閻魔さまの裁きをうける日」という話を聞いたことがあります。もちろん真宗門徒ですから、「亡くなったらお浄土へ帰る」と聞いてきたし、そう聞いてきたと伝えるのですが、ふと、これまで五七日も閻魔さまもあまり深く考えてこなかったのだけれども、言い伝えにどんな願いがこめられてきたのか、という思いがよぎります。残された人が大切な人を失った35日をどう生きるかということなのでしょうか。
そのおじいさんの七日参りは毎週土曜で、おばあさんと息子夫婦と小学生の孫が勢ぞろいし、他にも近しい方が数名集まり、きちんと背広を着て座ってくださる方までおられます。七日参りは添いあいさんだけが参ることが多く、ご家族は家におられても参られないことも多々あります。おじいさんは穏やかな方でした。潔いところもありました。おばあさんと仲良しでした。その死は突然でおばあさんはまだ受け入れることができず、話がぐるぐるします。私は痛みが伝わって家に帰って悲しくて泣くこともあります。
毎週お参りに来られる方々に、五七日のお参りには少しお話をしました。五七日は閻魔大王に裁かれる日だと『怪談レストラン』でみたことがあるよ、『地獄』という絵本が話題らしいので注文したよ、地獄と語られることの背景を亡き人を縁として考えてみたい。けれど、悲しみの最中にいる方には不必要な言葉だったかもしれない。
今日届いた、絵本『地獄』は期待通りに心が揺さぶられる本でした。小さい子にはちょっと衝撃的な絵かもしれません。うちの子はそんなに悪さもしないし、読むかどうか本人と相談して、読むなら親子読書の時にでも一緒に丁寧に味わおうと思います。1980年に作った方の願い「子どもたちよ、いのちをそまつにしてはならない」という言葉をわたしも共有したいと思いました。それは子どもだけの問題ではないとも思います。
帰宅しただんなにいうと、「それうちにもあるよ、初版だと思う、小学生の時に読んだ」というので、「お母さん保母さんだったから優良な絵本をご存じだったのね?」というと、「まさか。あの人の趣味だよ、怖くて眠れ…(モゴモゴ)」といった。「ふふふ、相変わらずお父さんと私趣味があうわ!」といっていた。少年は怖くて眠れ…(モゴモゴ)だったのだな。たしかにおばちゃんの私も怖い。
蛇足:届いた時、側にいたお兄ちゃんに読み聞かせたら、寝た。地獄は一定すみかぞかし(『歎異抄』)。