月愛三昧

遅ればせながら750回御遠忌のDVDを観ていた。高(コ)史明(サミョン)さんと宮崎哲弥氏の対談。高さんは2010年に『月愛三昧』という題で1000ページ近い集大成といえる本をだされたとおっしゃっていました。

月愛三昧―親鸞に聞く

月愛三昧―親鸞に聞く

「月愛三昧」、私もうっとりするような言葉ですが、本は10000円近くするので、ちょっと買うのは考え中なんですけれども。
「月愛三昧」というのは、教行信証の(信の巻・涅槃経からの引用)に出てくる言葉です、親鸞聖人は人間が阿弥陀様に助けられていく教えを倫理的に全部説き、具体的な救いの対象として、世の中に到底助けられない悪人として、悪人代表といえる親殺しをした阿闍世が、どういう悪を犯し、どういうふうに苦しみ、そしてどういうふうにして仏教の教えに帰依していくか、帰依していくことになりましたというはっきりした心境を「月愛三昧」というふうに開かれていると、話されていました。
ずっと私にはわからない仏の心だと思っていました。
今回、方向が違っていたことを教えられました。
月愛三昧に静かに照らされる悪人の私です。そして月愛三昧とは、こころに寄り添うこと。阿闍世のこころにお釈迦さまが寄り添ったように、私たちにいつでもどこでも誰にでも阿弥陀様が寄り添ってくださる。

「譬えば月光の能く一切の優鉢羅花をして開敷鮮明ならしむるが如し。」
『涅槃経』「梵行品」

http://www.otani.ac.jp/yomu_page/kotoba/nab3mq0000009ldy.html