御正忌のうぬぼれ

聖人弘長二歳 壬戌 仲冬下旬の候より、いささか不例の気まします。自爾以来、口に世事をまじえず、ただ仏恩のふかきことをのぶ。声に余言をあらわさず、もっぱら称名たゆることなし。しこうして同第八日午時、頭北面西右脇に臥し給いて、ついに念仏の息たえましましおわりぬ。時に、頽齢九旬に満ちたまう。「本願寺聖人伝絵上末(覚如上人)」

11月28日に毎年想う言葉である。だから、無理に親鸞聖人のことを考える日でもある。しかし、昨年より、美川のお寺で27日28日と御正忌の法話をさせていただいているので、理想的なその日を過ごせている。
ただ問題は、自分の理想とする11月28日の過ごし方があること自体なのかもしれない。そうではない過ごし方をする私を卑下するのは、そうでない他者も卑下するに違いない。