父に似ている私

その人は、私が死んだ父に似ているといって目を潤ませた。海員学校で後輩だったのだという。「お世話になったんです。間違ったことまがったことが大嫌いな人で・・・」と語り始めた。その頃海員学校は後輩が先輩の服の洗濯やアイロンがけをしたり買出しなどの使い走りをさせられるのが当たり前だったが、「○○君はいいな」と、よく周りの人に言われたのだという。父は後輩を使うことなく自分のことは自分でしたのだという。想い出話に花が咲く。私の知らない元気な父だ。思わず涙がこぼれないわけがなかった。
聴聞に来られる方に、布教使だった「おじいちゃんの孫」だと紹介されることはあっても「お父さんの娘」として紹介されたのは今回初めてだった。妹にも会わせたいな、彼女のほうが父に似ているから。