歎異抄

愚身の信心におきてはかくのごとし。

浄土宗のいとこが法然上人の言葉を伝えてくれた。 ただ、往生極楽のためには、南無阿弥陀仏と申して、疑なく往生するぞと思とりて申す外には、別の子さい候わず。 『一枚起請文』源空述 (「真宗聖典」p.962) この言葉にピンとくるのが、『歎異抄』第二条で…

無碍の一道

念仏者は、無碍の一道なり。そのいわれいかんとならば、信心の行者には、天神地祇も敬伏し、魔界外道も障碍することなし。罪悪も業報も感ずることあたわず、諸善もおよぶことなきゆえに、無碍の一道なり 歎異抄第七条 考えてみますと、私たちの人生には、ど…

歎異抄第九条

お互いに、久遠劫よりいままで流転せる苦悩の旧里はすてがたく、(久遠の昔から今日まで、限りない流転を続けてきたこの苦悩のふるさとは、どうしても捨てがたく、)いまだうまれざる安養の浄土はこいしからずそうろう (まだ生まれたことのない永遠の安らぎの…

『歎異抄三条』意訳(1)

参考:『歎異抄講話1 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) 三 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。 しかるを、世のひとつねにいわく、悪人なお往生す、いかにいわんや善人をや。この条、一旦そのいわれあるににたれども、本願他力の意趣にそむ…

プロフィールの詳細

竊かに愚案を回らして粗古今を勘うるに、先師の口伝之真信に異なることを歎き、後学相続之疑惑あることを思うに、幸いに有縁知識者依らずは、いかでか易行一門にいることを得んや。全以自見之覚悟をもって、他力之宗旨を乱すことなかれ。よって、故親鸞聖人…

流罪記録 現代語訳

千葉乗隆の安楽仏教研修会 第369回 より http://www.anrakuji.net/bukken/bukken369.html 後鳥羽上皇が政治を執っておられたとき、法然上人は他力本願念仏宗を興し広められました。そのとき、奈良の興福寺の僧たちが、聖人は仏の教えにそむくものとして、…

意訳に手を加える

朝からした仕事二つ。公民館行事グラウンドゴルフ大会の要綱印刷、そして、この資料。 十八 仏法のかたに、施入物(せにゅうもつ)の多少にしたがいて、大小仏になるべしということ。この条、不可説なり、不可説なり。比興(ひきょう)のことなり。まず仏に大小…

お聖教というものは国語の教科書ではない。

携帯からネコの写真を送って、自分で書いた「不感症」という言葉に立ちどまる。『歎異抄講話3』廣瀬杲(法蔵館)を読んでみたら、やはりいろんな発見があった。だから読むのが嫌だった気もする。読んだら興奮して震えたが、もうきっと間に合わない。それで今回十…

お講の予習『歎異抄第十四条』意訳(2)

参考:『歎異抄講話3 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) そのゆえは、弥陀の光明にてらされまいらするゆえに、一念発起するとき、金剛の信心をたまわりぬれば、すでに定聚のくらいにおさめしめたまいて、命終すれば、もろもろの煩悩悪障を転じて、無…

お講の予習『歎異抄第十四条』意訳(1)

参考:『歎異抄講話3 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) 十四 一念に八十億劫の重罪を滅すと信ずべしということ。この条は、十悪五逆の罪人、日ごろ念仏をもうさずして、命終のとき、はじめて善知識のおしえにて、一念もうせば八十億劫のつみを滅し…

第十二条 意訳(3)

参考:『歎異抄講話3 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) 故聖人のおおせには、「この法を信ずる衆生もあり、そしる衆生もあるべしと、仏ときおかせたまいたることなれば、われはすでに信じたてまつる。またひとありてそしるにて、仏説まことなりけり…

第十二条 意訳(2)

参考:『歎異抄講話3 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) 当時、専修念仏のひとと、聖道門のひと、諍論をくわだてて、わが宗こそすぐれたれ、ひとの宗はおとりなりというほどに、法敵もいできたり。謗法もおこる。これしかしながら、みずから、わが法…

第十二条 意訳(1)

参考:『歎異抄講話3 高倉会館法話集』(著者:廣瀬杲 発行:法蔵館) 十二 経釈をよみ学せざるともがら、往生不定のよしのこと。この条、すこぶる不足言の義といいつべし。 経典やその解釈書を読んで学問に励まない者たちは、往生できるかどうかわからない、と言…

第十条(後半第十一条)

そもそもかの御在生のむかし、おなじこころざしにして、あゆみを遼遠の洛陽にはげまし、信をひとつにして心を当来の報土にかけしともがらは、同時に御意趣をうけたまわりしかども、そのひとびとにともないて念仏もうさるる老若、そのかずしらずおわしますな…

『歎異抄』第九条 意訳

参考:『歎異抄講話2』廣瀬杲 法蔵館 「お念仏を申しておりますものの、踊りあがるほどの喜びもさほどおこってまいりませんし、また、いそいでお浄土へ参りたいという心にもなれませんが、いったいどうしたことでごさいましょうか」とお尋ねをいたしましたと…